京丹後ウルトラマラソン100km 挑戦記 〜レース当日編〜 100kmの先に見た景色

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咳喘息に苦しみながらも練習を積み重ね、万全とは言えない状態で迎えた京丹後ウルトラマラソン100km。

これまでフルマラソンは経験してきましたが、100kmはまったく別の世界です。

しかも当日は大雨。

寝不足、序盤の気持ち悪さ、後半に待っていた大きな峠、そして残り10kmで襲ってきた右膝の激痛。

何度も「完走できないかもしれない」と思いながら、それでも一歩ずつ前へ進み続けました。

最終タイムは13時間29分01秒。

この記事では、スタートからゴールまでの13時間29分を振り返ります。


ほとんど眠れないまま迎えたレース当日

前日の夜は、少しでも睡眠を取っておこうと23時にはベッドに入りました。

しかし、緊張していたのか、なかなか眠ることができません。

結局、ほとんど眠れないまま深夜1時に起床。

2時に朝食を摂り、そのまま会場へ向かいました。

スタート時刻は午前4時20分。

まだ外は真っ暗です。

いよいよ100kmへの挑戦が始まります。

スタートラインに立ったときは、

「これから100kmが始まる」

というワクワクした気持ちがありました。

でも、その一方で、

「早く終わってほしいな〜」

という気持ちもありました。

まだ一歩も走っていないのに、これから100km。

何時間走り続けることになるのか。

楽しみでもあり、少し気が遠くなるような、不思議な感覚でした。


スタートから2.3km、いきなり靴がびしょ濡れ

この日は、あいにくの大雨でした。

そしてスタートしてわずか2.3km。

道路が冠水している場所に差し掛かりました。

まだ真っ暗だったこともあり、よく見えないまま足を踏み入れてしまい、靴の中まで一気にびしょ濡れ。

まだ100kmのうち、たった2kmしか走っていません。

「この状態で、あと98km走るのか……」

先の長さを考えると、正直あまり気分の良いスタートではありませんでした。

それでも始まったばかり。

気持ちを切り替えて走り続けます。


20kmで早くも「リタイアするかも」

スタートからしばらくは順調に距離を重ねていきました。

しかし20km付近。

突然、気持ち悪さが出てきました。

ほとんど眠れていない状態で深夜1時に起き、2時に朝食。

そして早朝4時20分から大雨の中を走っています。

そうした条件が重なった影響もあったのかもしれません。

まだ20km。

100kmの5分の1しか走っていません。

それなのに、

「今日はリタイアするかもしれない」

という考えが頭をよぎりました。

100kmはまだまだ先です。

ここで終わってしまうのか。

そんな不安もありましたが、なんとか気持ちを立て直して前へ進みました。


関門の時間を意識しながら走る

京丹後ウルトラマラソンでは、ただ100kmを走ればいいわけではありません。

途中には関門があり、決められた時間までに通過できなければ、そこでレースが終わってしまいます。

そのため、走っている間は関門の時間をかなり意識していました。

前半は6分台/kmを中心に走れていました。

ただ、100kmという距離を考えると、最初から飛ばしすぎるわけにもいきません。

「今のペースなら関門までどれくらい余裕があるのか」

そんなことを考えながら走っていました。

後半になれば必ずペースは落ちる。

エイドで止まる時間もあります。

そのため、前半のうちにある程度の余裕を作っておきたいという気持ちもありました。


エイドでは少しずつ補給

100kmを走るうえで、補給も重要でした。

エイドステーションでは、お菓子や果物などを少しずつ口にしました。

一度にたくさん食べるのではなく、胃に負担をかけないようにつまむ程度です。

序盤に気持ち悪くなったこともあり、無理に食べることはせず、食べられるものを少しずつ補給しながら進みました。

そして道中のどこかのエイドでは、今回京丹後ウルトラマラソンに挑戦するきっかけをくれた「鉄人おじさん」とすれ違った記憶もあります。

それぞれのペースで100kmに挑戦している中での、ほんの一瞬の出来事でした。


60kmを過ぎて待っていた大きな峠

60kmを過ぎると、このコースの大きな難所が待っていました。

それまでにもアップダウンはありましたが、ここから大きく標高を上げていきます。

すでに60km以上走った脚で、この上り。

当然、ペースは大きく落ちました。

60km以降は1kmに10分以上かかる区間が増え、67km以降には11〜13分台まで落ちる区間もありました。

ただ、このときは単純に「ペースが落ちた」というだけではありません。

頭にあったのは、やはり関門の時間です。

「このペースで間に合うのか」

「あと何kmあるのか」

「残り時間を考えると、どれくらいで進めばいいのか」

時計を確認しながら、何度も計算しました。

高低図を見ると、この区間がどれだけ大きな上りだったのかがよく分かります。

100kmのレースで、60kmを走った後にこの峠。

練習で峠走を取り入れてきましたが、実際のレースで疲労した状態から上るのは、やはり簡単ではありませんでした。


峠を越えた!しかし今度は右膝が……

なんとか大きな峠を越えました。

ここからは下りです。

上りで大きく落ちていたペースも再び戻り、72km以降には6分台/kmで走れている区間もありました。

「まだ走れる」

そう思えた区間でした。

しかし、峠を越えて下り始めてから、今度は右膝の外側に痛みが出始めました。

最初はなんとか走れていました。

ところが、距離を重ねるにつれて痛みが強くなっていきます。

それでも、まだゴールまではかなり距離があります。

膝の状態と相談しながら、前へ進み続けました。


残り10km、経験したことのない痛み

そして残り10kmほどのエイド。

ここで、この日最大のピンチがやってきました。

右膝に、今まで経験したことがないほどの痛みが出ました。

膝を曲げようとすると、

「キーン」

と神経に触るような鋭い痛みが走ります。

それまで感じていた「脚が疲れた」「膝が痛い」という感覚とは明らかに違いました。

膝を曲げること自体が難しい。

ここまで90km近く走ってきました。

あと10km。

普段なら何でもない距離です。

でも、このときの10kmは、とてつもなく遠く感じました。

「この状態で、あと10km進めるのか?」

完走できないかもしれない。

そんな不安が再び出てきました。

エイドで少し休み、一応のために持ってきていたロキソニンを飲みました。

そして膝の状態を確認しながら、再びゴールを目指しました。


残り5km、いつもの練習仲間が待っていた

膝の痛みに耐えながら少しずつ前へ進み、残り5km付近までやってきました。

そこにいたのが、先にゴールしていた、いつも一緒に練習しているサブエガランナーでした。

わざわざ応援に来てくれていました。

100km近く走り、身体も限界に近づいていたところで、いつも一緒に練習している仲間の姿を見る。

やっぱり力をもらえました。

あと5km。

ここまで来たら、なんとかゴールまでたどり着きたい。

そう思い、最後の5kmへ向かいました。


最後の5km。前を見る余裕もなかった

ここからの5kmは、本当にしんどかったです。

右膝を曲げると、鋭い痛みが走ります。

そのため、できるだけ右膝を曲げないようにして走りました。

フォームがどうとか、きれいに走ろうとか、そんなことを考える余裕はもうありません。

考えていたのは、

「このペースなら時間内にゴールできるのか」

ということだけでした。

時計を何度も確認。

残りの距離と時間から、ゴールするために必要な最低限のペースを計算します。

そして、そのペースだけは下回らないように走り続けました。

前を見てゴールを目指すというより、時計と足元を見ながら、一歩ずつ進んでいるような感覚でした。

あまり前を見る余裕もありませんでした。

残り4km。

残り3km。

残り2km。

一気にゴールを目指すのではなく、一つずつ残りの距離を減らしていきました。


「やっと終わった〜」ようやく見えたゴール

そして、ようやくゴールが見えてきました。

その瞬間、最初に出てきた気持ちは、

「やっと終わった〜」

でした。

「やった!」

という喜びよりも、まずはホッとしました。

スタートしてから、もう13時間以上。

寝不足のまま午前4時20分にスタート。

大雨の中、2.3kmでいきなり靴がびしょ濡れ。

20kmでは気持ち悪くなり、「今日はリタイアするかもしれない」と思いました。

60kmを過ぎてからは大きな峠。

峠を越えたと思ったら、今度は右膝の痛み。

そして残り10kmでは、膝を曲げることさえ難しくなりました。

何度も時計を確認し、必要なペースを計算しながら、とにかく一歩ずつ前へ進みました。

そして――

13時間29分01秒。

走行距離は101.16km。

京丹後ウルトラマラソン100kmを完走しました。


100kmを走ったら泣くと思っていた

100kmを完走したら、ゴールした瞬間に感動して泣くのかな。

走る前は、そんなことも思っていました。

でも実際は違いました。

疲れ果てていて、

泣く元気すらありませんでした。

「やっと終わった」

その安堵感の方が大きかったと思います。

寝不足。

大雨。

20kmでの気持ち悪さ。

60km以降の峠。

右膝の痛み。

残り10kmで襲ってきた、経験したことのない痛み。

振り返れば、何度も「もうダメかもしれない」と思った100kmでした。

それでも、そのたびに少しずつ前へ進みました。


100kmを走って分かったこと

100kmを走ってみて感じたのは、

最後まで何が起こるか分からない

ということです。

20kmで気持ち悪くなったときは、本当にリタイアするかもしれないと思いました。

そこから持ち直したと思ったら、60kmを過ぎて大きな峠。

それを越えたら、今度は右膝。

そして残り10kmで最大の痛み。

100kmという距離では、調子の良い時間もあれば、悪い時間もありました。

「今が苦しいから、このままずっと苦しい」

とは限りません。

今回のレースでは、それを身をもって経験しました。

そしてもう一つ。

100kmを完走できたのは、本番の13時間29分だけで達成したものではないと思っています。

大会に向けて積み重ねてきた距離走や峠走。

体調を崩して思うように走れなかった時期。

それでも続けてきた練習。

そのすべてが最後の一歩につながったのだと思います。


大変だった。でも、挑戦して良かった

100km。

実際に走ってみると、本当に長かったです。

「もう一度走りたいか?」

ゴール直後に聞かれていたら、すぐに「はい」とは答えられなかったと思います。

それくらい大変な13時間29分でした。

でも、今振り返ってみると、

挑戦して良かった。

そう思います。

2kmを走ることから始まった自分が、100kmのスタートラインに立ち、そして自分の足でゴールまでたどり着くことができました。

速いとか遅いとかではなく、

「100kmを諦めずに最後まで進んだ」

という経験は、これからも自分の中に残っていくと思います。

京丹後ウルトラマラソン100km。

13時間29分01秒。

長い長い一日が、ようやく終わりました。

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