丹波篠山ABCマラソンを走り終えたあと、次の目標として選んだのが**「京丹後ウルトラマラソン100km」**でした。
100kmという距離は、それまで走ってきたフルマラソン(42.195km)の2倍以上。正直なところ、「本当に自分に走れるのだろうか」という不安しかありませんでした。
それでも、この挑戦を通して新しい出会いがあり、苦しい練習があり、体調を崩しながらも積み重ねた時間は、今ではかけがえのない経験になっています。
今回は、本番までの練習期間を振り返ります。
きっかけは職場の「鉄人おじさん」との出会い
京丹後ウルトラマラソンに挑戦するきっかけをくれたのは、職場で知り合った一人のランナーでした。
その方は京丹後ウルトラマラソンに20回近くエントリーし、そのうち17〜18回も完走している大ベテラン。まさに「鉄人」と呼ぶにふさわしい存在です。
実は、普段一緒に練習しているサブエガランナーの知り合いでもあり、その縁で紹介していただきました。
ある日、その方から言われた一言。
「試しに一緒に出てみる?」
その言葉が、100kmへの挑戦の始まりでした。
100kmと聞いたときは、「そんな距離を本当に走れるのか」と驚きました。
それでも、「まずは挑戦してみよう。」
そんな気持ちでエントリーを決意しました。
さらに、宿泊先やシャトルバスの手配まで一緒に進めてくださり、初めてのウルトラマラソンへの不安を大きく減らしてくれました。
人との出会いが、新しい挑戦への一歩を踏み出させてくれた瞬間でした。
峠走との出会い 〜再度山での修行〜
100km完走を目指すため、サブエガランナーの方から勧められたのが**「峠走」**でした。
「夏でも標高の高い場所なら少し涼しいし、脚も鍛えられる。」
その言葉を信じ、神戸市の**再度山(ふたたびさん)**へ通うようになりました。
それまで平坦な道ばかり走っていた自分にとって、坂道はまさに未知の世界。
最初の5kmほどの登りでは、ペースは遅いのに息が上がり、脚も思うように動きませんでした。
「こんなに坂道はしんどいのか…。」
最初はそんな印象しかありませんでした。
それでも1〜2週間に一度通い続けるうちに、少しずつ坂道にも慣れてきました。
人も車もほとんど通らず、聞こえるのは鳥のさえずりだけ。
苦しい練習なのに、不思議とまた走りたくなる場所でした。
この峠走は、京丹後100kmに向けた一番大きな財産になったと思っています。
焦りから走行距離を増やした日々
100kmという未知の距離への不安から、「もっと走らなければ」という気持ちが強くなっていきました。
Garminの記録を振り返ると、月間走行距離は次のように増えていました。
| 月 | 走行距離 |
|---|---|
| 2025年2月 | 150.4km |
| 3月 | 197.9km |
| 4月 | 307.4km |
| 5月 | 351.2km |
わずか数か月で走行距離は2倍以上。
平日の帰宅ランに加え、休日には30km以上のロング走や峠走を繰り返しました。
当時は「距離を踏めば完走できる」と信じていました。
しかし今振り返ると、少し焦りすぎていたのかもしれません。
咳喘息との闘い
6月に入ると、体に異変が起こりました。
咳が止まらなくなったのです。
病院で診察を受けると、咳喘息と診断されました。
薬を処方され、発作が出たときのために吸入薬を持ちながら練習を続けました。
夜になると息が苦しくなるほど咳き込み、眠れない日もありました。
この状態は約3か月続きました。
正直、「今年は出場を諦めた方がいいのでは」と考えたこともあります。
それでも、
「ゆっくりでもいい。むせないペースでいい。距離だけは積み重ねよう。」
そう決めて、一歩ずつ前へ進みました。
速く走れない日もありましたが、「継続すること」だけは最後まで諦めませんでした。
万全ではないまま迎えた本番
そして9月。
京丹後ウルトラマラソン当日を迎えました。
咳喘息は完全には治っておらず、決して万全なコンディションではありませんでした。
それでも、ここまで積み重ねてきた練習を思い返すと、不思議と不安よりも「ここまでやってきた」という気持ちの方が大きくなっていました。
鉄人おじさんとの出会い。
再度山での峠走。
苦しかった走り込み。
そして咳喘息と向き合いながら続けた毎日の練習。
どれ一つ欠けても、このスタートラインには立てなかったと思います。
この練習期間で学んだこと
京丹後100kmへ向けた練習で学んだのは、
「距離を積めば強くなるわけではない」ということ。
焦って走行距離を増やした結果、体調を崩してしまいました。
しかし一方で、峠走やロング走を積み重ねた経験は、脚力だけでなく精神的な強さも育ててくれました。
完璧な状態ではありませんでしたが、「ここまで積み重ねてきた」という自信だけは、本番の自分を支えてくれました。
次回予告
次回はいよいよ**「京丹後ウルトラマラソン100km挑戦記【本番編】」**です。
スタートからゴールまで約14時間。
暑さとの戦い、激しいアップダウン、脚の痛み、そして100km先に待っていた感動。
初めてのウルトラマラソンで経験したすべてを、ありのままにお伝えします。

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